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2007年、バオロン医薬グループの取締役社長であるグエン・ヒュー・カイ(Nguyen Huu
Khai)医学博士、武道家は、「ベトナムの星」賞を受賞した。
事業の夢
グエン・ヒュー・カイ博士は、1952年、穏やかなダイ川のそばにあるアンミーという貧しい村(ハノイ省ミードック郡)の大家族に生まれた。高校1年の際、軍に入隊。クアンチ古城での戦いで頭に負傷し、除隊を余儀なくされた。怪我の回復後、カイ博士は補習コースを修了し、ホーチミン市建築大学に合格した。
当初、立派な建築家になるつもりだったが、故郷の貧困や重い病気に罹り、治療費を持たない貧しい人々の姿を目の当たりにし、中国へと渡り医学を学んだ。帰国後、カイ博士は漢方で多くの患者の病気を治療し、貧しい家庭の患者に対しては無料で薬品を提供したのである。
グェン・ヒュー・カイ博士はホーチミン市へ行った際、伝統医学補習コースの“脈理方薬”という東洋医学グループと協力してバオロン社を設立。薬材を捜し求め、数々の薬品を調合してきた。1986年~1987年の間、バオロン社の医師らは、華人の漢方で有名なこのホーチミン市のチョロン地区で薬品を販売し、同時に信頼を築くために同市のあちこちで武術を演じた。会社の場所を14回も変え、事業を維持できそうもないほど困ったことがあるという。ところが、グエン・ヒュー・カイ博士は、困難な時期を乗り越えて一歩ずつ会社を発展させ、1990年には同社の東南薬工場が設立された。
カイ博士は、北部で新しい会社を設立して市場の拡大を図ったため、当社のハタイ省出身者をホーチミン市から北部に派遣した。そして、ハタイ省ソンタイ町コドン村のチャイホー集落における工場(敷地面積5ヘクタール)の便宜を与えてもらったことで、カイ博士の長年の夢が叶ったのである。同向上の生産ラインは現代的な技術を適用しているため、バオロン社の薬品はつねに高い品質基準に達している。この10年程で同社の製品が市場において大きなシェアを占め、高品質のベトナム製品であると認定され、賞を獲得した製品が数多くある。さらに、2002年には特効の東洋医薬製品に関する科学研究論文で、カイ博士はロシア科学アカデミーによって名誉博士学位を授与された。同博士は、ベトナム熱帯臨床研究院と協力し、「免疫力の向上によるHIV感染者の治療実験」という研究テーマを実施。また、ライチャウ省シンホー高原で医薬会社を設立して、地元の人々に対してケシの栽培を止め、薬草を植えるように呼びかけた。このような貢献により、カイ博士は厚生省から高い評価を受け、「人を殺める植物を破壊し、人を助ける植物を植えた人物」であると広く認められたのである。
そして、2005年、バオロン医薬グループが正式に発足し、現在、14の子会社を有するまでになった。
 バオロン医薬グループの取締役社長であるグエン・ヒュー・カイ博士
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心優しい人
ある日、ティエンザン省出身のチュオン・ヴァン・チン(Truong Van Chin)さんと、骨髄癌にかかり半身が麻痺して死を待つしかない状態でいる職工のグエン・ティ・フオン(Nguyen Thi Phuong)さん(ゲアン省タンキー郡出身)との感動的なラブストーリーの新聞記事が偶然、カイ博士の目に入った。そして、すぐさまフオンさんがバオロン総合病院で治療を受けることができるようカイ博士は救急車に乗って、自分の診療所から300kmも離れているタンキー郡へ2人を迎えに行った。そして、2人の負担を減らため、チンさんを自らが管理している工場で働かせた。その後、フオンさんの病気が良くなった時、当病院で2人の結婚式を行うことを助けた。 このフオンさんだけではなく、フート省のファム・コン・ホアン(Phan Cong Hoang)さんやナムディン省のスエン(Xuyen)さんなど、数多くの貧困家庭の患者に対しても無料で治療を行った。さらに数年前、ベトナムの武道代表のレー・ティ・フエ(Le Thi Hue)選手は、稽古の際に首を骨折し、身体が麻痺したままで残りの人生を送る危険性があったが、カイ博士の治療を受けた結果、車椅子で移動し、生活を営むことができるようになった。
バオロン総合病院の職員と患者のほとんどが、カイ博士を「先生」と呼ぶのはカイ博士が命にかかわる数百もの病気にかかった患者を治療し、彼(彼女)らの命の恩人となったからである。
バオロンのブランド
カイ博士は、人格の養成、人を助ける精神、個人の創造力、そして企業へ正当な利益をもたらすことをつねに心に描いている。
医学と武術に情熱を注いできたカイ博士は、「バオロン医武門派」を創立しただけではなく、競技場の建設やバオロン体操医学センターの創立、あるいは「バオロン-ハタイ」という国家レベルの女性バレーボールチームの育成などのために、これまで数億ドンを投じてきた。また、ハタイ障害者・孤児支援執行委員会委員であるかたわら、「健康と生活」紙や医薬誌、「ベトナムスポーツ」紙などの新聞に記事を投稿し、武術稽古や 気攻稽古集、医学の書籍を数多く出版した。
毎晩、カイ博士は資料を整理し、日中は医学、武術に関する科学セミナーに参加したり、様々なテーマについてプレゼンテーションや患者の病気を診断したりしている。同博士の一日のスケジュールは、つねに詰まった状態であるが、患者の病気を治療して人を助けるためなら、どんなに忙しくても幸せであるという。
文:チャン・チー・コン(Tran Chi Cong)
写真: ホアン・ハー (Hoang
Ha)および資料 |